リザーバコンピューティング


運動制御を司っている小脳を模倣した情報処理構造としてLiquid State Machine (LSM)やEcho State Network (ESN)に代表されるReservoir Computing (RC)が考案されています. RCは入力層・リザーバ層・出力層の3層で構成され,このリザーバ層が内部状態を持つリカレントニューラルネットワークの一種となります. RCの最たる特徴は,学習するニューロン間の結合がリザーバ層と出力層を接続しているリードアウトのみ,という点にあります. つまり,リザーバ層は設計時に与えられた結合がもたらす固有のダイナミクスを保持することになります. リザーバ層を学習しないで良いためニューロン数を大きくしやすく,小脳における顆粒層に相当するといわれています.

このRCを用いた研究として,例えば以下のような研究を行っています.

  • 長期時系列データの回帰・分類に強いニューロンダイナミクスの設計
  • 破滅的忘却を緩和するネットワークダイナミクスの設計

応用として,柔軟ロボットのダイナミックな運動生成などを行っています.