Springerの非線形動力学分野の論文誌 Nonlinear Dynamicsに,
Delays in perception and action for improving walk-run transition stability in bipedal gait
というタイトルで採択・掲載されました. ダウンロードはこちら
2足歩行と走行間での遷移はエネルギーコストを最小化するよう,ある速度(PTS)を閾値に発生することが知られていますが,実際には歩行→走行への遷移と走行→歩行への遷移には速度差,すなわちヒステリシスが生じることが実験で確認されています. 本論文では,この要因を知覚と行動の遅れと考え,我々がこれまでに開発してきた2足歩行・走行を統一的に扱える制御器にこれらの遅れを陽に組み込みました. これらの遅れの度合いをベイズ最適化によりチューニングすると,安定性・エネルギー効率を高めるためにはこれらの遅れを与えたほうが良いことがわかりました. これは歩行と走行をそれぞれ安定実現可能な多様体が離れており,離散的にそれらを移動することはアトラクタから逸脱してしまうためだと確認しています.