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学生
総研大?
NIIの教員は基本的に,総合研究大学院大学(総研大,SOKENDAI)の教員を併任しており,総研大学生の指導を受け持つことができます. 総研大は複数の国研が集った大学院大学で,5年一貫制(修士過程+博士課程)または3年次編入(博士課程)の(社会人)学生を受け入れています. 非常に特殊な大学でご存知ないかもしれませんが,魅力として以下が挙げられます.
- 指導の品質: NIIを始めとする国研に勤めるトップクラスの教員から直接指導を受けることができます. しかも,教員陣は授業などの業務が少なく研究に専念できており,学生数も少ないため,非常に密な指導が可能です.
- 経済面のサポート:
学生は総研大RAとして雇用されるため月に約10万程度を研究に専念していれば得られます.
これに加えて当研究室では,プロジェクトに参画する場合は謝金・RA費用を支出できます. - 国際交流: 留学生の比率が高い上に,NIIが実施している海外インターン制度を使って定期的に半年ほどの短期留学生が滞在します. また,NIIの海外派遣制度を使えば海外の大学に滞在して研究することもできます.
入試情報などは公式をご確認ください.
受験する前に…
当研究室では,ロボティクスと機械学習の融合研究に取り組んでいます. このため,研究を進める上で必要となる専門的な知識や経験は確かに多岐にわたるため,研究にやっていけるのか不安に感じるかもしれません. もしそう感じるなら安心してほしいのですが,入学時からすべてを完璧にこなせるオールラウンダーである必要は全くなく,例えば,以下のいずれかの経験や知識をお持ちでしたら,十分に研究に取り組んでいけます.
- ロボットのハードウェア設計開発の経験: 当研究室はロボットの知能に関する研究に焦点を当てていますが,これはロボットの身体と不可分です. 独自のロボットには独自の知能が宿る,あるいは必要となるはずで,それだけで新しい研究の出発点になり得ます. と考えつつも,小林はソフトウェア屋なので,もしロボットを一から製作した経験を持つ学生に来てもらえると非常に嬉しいです.
- ロボットの運動制御に関する知識: ロボットに機械学習を導入する上で,どのレイヤーに導入するかは注意深く考えなければならないです. 例えば,低レイヤーにあたる運動制御器を既存技術の知見を使って学習を簡単化させたり,より優れた運動制御器を実装しておき,そこへの参照値を上位レイヤーが生成することが考えられます. どちらにせよ,ロボットの運動制御の知識は非常に重要で,ここをおざなりにするとロボットの運動性能を存分に発揮する知能は得られません. なお,知識量の目安として,例えばこちらの教科書を理解できているくらいが目安です.
- 強化学習に関する知識: 当研究室で扱う知能は,いわゆる運動知能であり,技術的には強化学習や模倣学習を中心に研究しています. その中で,ロボットにこれらの技術を適用する上での課題を理論レベルで解決していくのですが,そうなると最新理論をしっかり理解している必要があります. 特に強化学習は一般的な機械学習とは毛色が異なるため,もし強化学習に関する研究テーマに取り組みたいなら,事前準備をお勧めします. 例えば小林が書いた教科書をある程度理解できるようになっていると良いでしょう.
- 独創的なテーマ: 当研究室では幾つかのプロジェクトが並行して進んでいるので,個人的にはそれらのいずれかに参画してもらえると助かります. 一方で,特殊な経験を持つ場合,そこで気づいた問題や疑問の多くは,深掘りすると立派な研究テーマになり得ます. もし上記の知識・経験が十分でなくとも,独創的なテーマに熱意を持って取り組めるのでしたら,テーマの提案も歓迎です.
一方で,これらの専門的な知識・スキルを持っていたとしても,円滑に研究を推進・指導するには,人となりも同様に大切と考えています. 私たちが一緒に研究したいと思うのは,例えば以下のような方です.
- 協力的な方: 近年のロボットはシステム全体が複雑化傾向にあるため,自分の提案する技術を検証したいだけであっても周辺技術の実装が必要になることが多く,単独開発には限界があります. また,安全面や手際の良い実施のために,ロボット実験には複数人で取り組むことも多いです. そのため,自身の研究以外は我関せず,とならずに実装や実験,あるいは課題の言語化など,様々な場面で互いに協力し合える関係を築ける人が望ましいです.
- 能動的に動ける方: NIIは研究所のため,小林自身も現役で研究をしています. なので,常に学生の進捗状況に目を配ってフォローするのはどうしても難しく,受動的に(定例報告まで)助けを待っていると時間を無駄にしてしまいます. 何か困ったことがあれば,邪魔になるかもと遠慮しないで良いので(本当に忙しかったら空き時間を指定するので),とにかく溜め込むことなく能動的に動いて質問したり協力を仰げる人だと助かります.
- (ある程度)時間管理のできる方: 研究活動において,時間を忘れて没頭してしまうことや計画を大幅に修正することはしばしばありますが,その一方で,論文投稿や審査など,様々な場面で締切が設けられてもいます. これらの締切を逃すとトラブルの元になるので,締切を意識した時間管理を自らできるか,最低でも小林が代わりに設定する目安を意識して動けると良いです.
これらのことを踏まえ,興味のある方は,Contactからお気軽にご連絡ください。
スタッフ
当研究室では,現在以下のプロジェクトで特任研究員の募集(予定)があります. また,日本学術振興会特別研究員 (PD)やJST BOOST,NII経費での特任研究員の採用枠など,これ以外にも幾つか選択肢があります. 当研究室の技術を吸収したい,一緒に最新のロボット研究に取り組みたい方は,ぜひContactからご連絡ください.
- JST CRONOS "データの非規格化を許容するインクルーシブロボット基盤モデル"
なお,総研大学生以外のRA雇用も可能ですが,その場合は所属研究室の主宰から許可を得てから相談ください.
共同研究
当研究室では,積極的に共同研究を受け入れています. ただ,NII・総研大は学生が少ないため,人手が必要なテーマにも関わらず人員を提供いただけないようですと,お断りさせていただくことがありますのでご理解ください.
大学等の研究者
NIIでは,10~11月と4~5月頃に公募型共同研究の募集があります. 予算使途は少し限定的ですが,本格的な共同研究を開始するための下拵えには有用ですので,応募を検討してみてください. また,NIIの上部組織であるROISでは,研究者交流促進プログラムや戦略的研究プロジェクトの募集があります. 前者は最大1年間NIIに滞在して研究するもので,後者は自由度が高めの競争的資金になります. もちろん,これら以外にも科研費等の分担は受け入れていますので,お気軽にご相談ください.
企業
ロボットへの機械学習技術の活用や適した技術開発を目指した共同研究を受け入れています. 学術指導や寄付金,共同研究と幾つかの形態がありますので,まずはContactからご連絡ください.